これは子育てをしている上で知っておいた方がいいなぁという知識の紹介。
しかも、子どもだけに限らず、我々大人にも当てはまる内容なので万人に通用するものです。
子どもの学習能力を少しでも高める方法があったら?
自分の学習能力を少しでも高める方法があったら?
実践してみたいと思いますか?
巷にはいろいろな本や情報があります。
そんな中で、これは意識しておいた方が役に立つかもと思った知識です。
結論を先に言うと。
「情報や環境を整理し、自分に合った記憶の仕方(覚え方)を見つけ出す」こと。
学習って、覚えるだけではないけれども、知識の習得は確実に土台になるのは間違いないじゃないですか?
その土台になるものが何なのかを理解して、その土台の作り方が分かれば学習能力の向上が見込めるのでは?
と考えたのです。
ただ初めに確認しておきたいことは、学習能力の向上が見込めるというだけで、結果に直結するかはまた別問題です。
いくら能力が高くても、努力の仕方が間違っていたり、進むべき方向が間違っていたら結果はでませんからね。
あくまで、パフォーマンスを向上させることができる可能性があるということです。
それでは、順に説明します。
- 土台となる「ワーキングメモリー」について
- 「ワーキングメモリー」を上手に活用する方法
土台となる「ワーキングメモリー」
これは、教育や心理など業界で使われる人の能力を表す用語です。
検査によって数値で導き出されます。
ワーキングメモリーは「ある情報を短い間、心の中に保持しながら、同時に処理をする能力」を数値で表しています。
初めて聞くと、よく意味が分かりませんね。
よく例えられるのは、机の上。
机の上が作業するスペースと仮定する。
そのスペースが広ければ、たくさんの情報を一時的に保持できる。
逆に狭ければ、量が少なくなる。
もちろん、スペースが広い方が一度にいろんな情報に対応できることになります。
スペースが狭いといちいち引き出しから情報を出し入れして入れ替える必要がある。
具体例で言うと、説明の中に大事なことがいくつも盛り込まれていると、最初の大事なことを覚えていられない。
また、長い文章を読んでいると、始めにどんなことが書いてあったか、すっかり忘れている。
このように、「ワーキングメモリー」という能力は、情報処理能力なんですね。
同じように人の話を聴いている子ども達がいたとしても、この能力の違いで吸収している(吸収できている)情報は違うんです。
同じように読書をしている子どもたちがいても、この能力の違いで得られる情報には差がでるということです。
これは、理解する能力ではなく、情報を処理する能力なので上手に情報を入手することができればいい!というだけのことです。(がっかりしないでくださいね!)
思い返せば、自分もワーキングメモリーが低いかも!と思います。
人の話は全然覚えていられないし(むしろ、聞いていない?)、本を読んでも内容を覚えていられないから、メモしないといけないし。
あんまり勉強が得意じゃなかったなぁという方は、共感できるんじゃないでしょうか?
そして、この「ワーキングメモリー」は4歳から15歳位まではほぼ直線的に数値が増加。その後、30歳位までは緩やかに伸びていくそうです。
ということは・・・・。
30歳以降、加齢とともに能力は低下していく!?
が~ン!
自分はもうアラフォーなので、結構能力が低下しているってことか!
なんて、ちょっと落ち込みました。
年を取ると物忘れが!なんて言われるのは、「ワーキングメモリー」の低下が要因だったのかもしれないってことですね。
そして、さらに残酷な真実。
ワーキングメモリーそのものを鍛えることは難しい!とのことです。
ワーキングメモリーには個人差があり、その差を埋めようと努力してもほとんど効果がないという。
じゃあ、生まれつきで決まってしまうの!
そんなのないよ~!
と嘆いても仕方ありません。
これからどうすか?が大事!
大丈夫です、対処法がゼロではありません。
ワーキングメモリーを上手に活用する方法
さて、対処法については大きく分けて3つ。
- 長期記憶を活用
- 経験を積む
- 情報量を減らす
- メモを活用
- ストレスや不安の軽減
ワーキングメモリーは、ある情報を短い間心の中に保持しておきながら同時に処理する能力でしたね。
つまり短期記憶。
このワーキングメモリーは長期記憶と関連しているそうです。
例えば、「あれ?どうやるんだっけ?忘れちゃった!」というような場面。
まず、その課題に必要な知識や手順を長期記憶として定着をさせる。
長期記憶に定着させることができれば、定着をしているので余分な情報処理を行わなくて済みます。
ワーキングメモリーに余裕ができるので、結果的にパフォーマンスがアップすることになります。
日常生活の中で繰り返し行われるものは長期記憶として定着します。
だから生活リズムを整えることは、習慣化するものが増えて結果的にワーキングメモリーに余裕がもたせられることに繋がるのでしょう。
次に、経験を積むこと。
これも前項のワーキングメモリーに負荷を与えずに余裕を持たせることでパフォーマンスあげる方法。
料理や演奏に例えると分かりやすいかも。
作り慣れた料理とそうでない料理。
作り慣れた料理は、誰かとおしゃべりする余裕があると思いますが、初めて作るものや久しぶりに作るものに関しては確かめながら、もしくは料理本を見ながら作ったりするので、話は出来ても内容を正確に把握するのは難しいでしょう。
また、演奏しながら歌うことも似たような例でしょう。
演奏が何てことないという方は歌を歌う余裕がありますが、覚えたての楽器であれば弾くことが精いっぱい。
このように、経験を積むことで考えることが減る。
結果的にワーキングメモリーに負荷がかからず、パフォーマンスの向上が見込める!
お次は、情報量を減らすこと。
何か物事に集中させたい場合、その物事がよほど魅力的でない限り、他の情報にも気を取られます。
他の情報に気を取られるということは、無意識のうちにワーキングメモリーに負荷がかかっているじょうたい。
視覚情報と聴覚情報です。
当たり前ですが、本を読んでいたり、勉強をしていたしするときに、横で面白いテレビをやっていたら集中が逸れますよね?
自分は集中していると思っていても、無意識のうちに耳から情報を取り入れています。
また、音が無くとも視界に魅力的なスイーツや漫画などがあったら、やっぱり誘惑されませんか?
できるだけシンプルな環境にすることで、ワーキングメモリーの負荷を減らす。
これも一つの方法です。
子どもの勉強する環境を整えるのもこのためなんでしょうね。
4つ目は「メモ」の活用。
おつかいを頼んでも1つ2つ忘れて帰ってくる。
あたりまえですが、品目が多ければ覚えるのは難しい。
でも、ワーキングメモリーには個人差があるので、難しい場合にはやっぱり何か対処が必要ですね。
メモは簡単にできるものです。
ところが、メモを見るのを忘れてしまうということも多々あります。
学校行ってから先生に渡してほしいものがあるのに、メモをしても忘れてしまう。
そんな時には、メモを見るという行動(経験)を積むしかありません。
②経験を積むと、③情報量を減らすを同時に取り組んで長期的に構える。
メモを見るという行動を学校生活の中の一連の動作の中に組み入れるようにし、③に惑わされないように確実にメモをみるという行動を起こさせるまで頑張る。
買い物であれば、一緒に行った時にメモの活用をさせてみる。とか。
そして、最後。
これが一番言いたかったことかも。
「ストレス」「不安」もワーキングメモリーに影響するということ!
これは、なるほど!と思いません?
夫婦喧嘩をしたまま仕事に行くと、気になって仕事に身が入らないとか。
忘れ物が気になって集中できないとか。
大人はたくさん事例があるのではないでしょうか?
(もちろん、仕事が大大大好きな方は気になることを忘れて仕事に没頭できるでしょう。そんな方は少数派だと思いますが。)
それは子どもも同じこと。
家庭での不安要素や友達とのトラブルから生まれる不安。
それが一時的なものであれば、大きな影響は無いのでしょうが、それが常時続く、もしくは長期的に続くものであったら、ワーキングメモリーの負荷は大きなものになるでしょう。
そうなると、学習能力に影響が出て・・・・。
となっていくわけです。
だから、子どもの学習能力を最大限発揮させてあげたい場合には、
「ストレスや不安をできるだけ軽減させてあげられる環境を整える」ことが必要なんです。
まとめると
ワーキングメモリーをうまく機能させると学習効率があがる可能性がある!
そして、ワーキングメモリーを機能させるには、情報を取り入れること・記憶を保持しておくことをしながら、ラクに行動できるかがカギ!
「情報や環境を整理し、自分に合った記憶の仕方(覚え方)を見つけ出す」
今回紹介した対処法を知り、その時自分に合ったスタイルを用いることができるようになるといいですね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。