子どもの成長の一つに、「言葉を話す」というものがあります。
人は当たり前のように言葉を交わしますが、その「言葉を話す」という成長の仕方にも個人差があるようです。
これは、もともともっている個人差(遺伝的なもの)もあるのでしょうが、言語に関する研究などではある程度、環境の整備や大人の接し方でも変わってくるらしいと考えられています。
子育てをする親であるなら、やはり我が子にはよりよく育って欲しいという願いはあるはず。
今日の話題は、「言葉を話す」という成長のメカニズムから親としてできる環境づくりと接し方について考えていきます。
まず、人はどうして言葉を話すのか?
それは、伝えたい想いがあるから。
まだ言葉を獲得していないよちよち歩きの幼児期。
「アッ、アッ!」と指をさして親の注意を引こうとする行為があります。
これが正に言葉を話すというスタートライン。
何度か見たことがある犬なのか、猫なのか、それとも大きなバスなのか。
子どもに限らず、人は何か「発見」をすると誰かに伝えたくなるもの。
この「アッ、アッ!」という呼びかけにたいして、「あ、ワンワン(犬)がいるねぇ。」とか、「お!バスだ!よく見つけたねぇ。」と共感的に反応を繰り返してあげることによって、言葉を獲得していくんだそうです。
つまり、自分の想いを伝えたい。
(例えば、犬を見つけた。)
とりあえず、自分の持っている限りの発音でアピール!
そして親が、共感的に「ワンワンがいたねぇ。」と返す。
子どもに、「相手が共感してくれる + 何やらワンワンって言うらしい」ということが伝わり、それが積み重なさっていくと、「あれは確か、ワンワンだったけなぁ。」となり「ワンワン!」という言葉を発していく。
そして、「ワンワンがいたねぇ。」と返すことで、「ワンワンいた。」と少しずつ二語文に発展していきます。
このように、まずは親の「共感的な態度」と「言葉かけ」が言葉の成長に大きな役割を果たしていると考えられています。
実際の研究では、「共感的な態度」や「言葉がけ」を行わないと、何かを発見したりする行動が減っていくそうです。
そうすると、自然と言葉の獲得が少なくなることは予想できますよね。
さて、まだ大事な要素もあるようです。
今紹介した「共感的な態度」と「言葉かけ」をするために必要な事です。
では、どのような場面で「共感的な態度」や「言葉かけ」をすればいいのか?ということが重要になってきます。
「言葉を話す」ためには、その話したい!という材料が必要になってきます。
できた!
わかった!
見つけた!
面白い!
すごい!
など、そういった体験があってこそ。
つまり、子どものうちはたくさんの体験をすることで、伝えたいことが溢れ、言葉を必要とする状況になり、どんどんと言葉を獲得していくのです。
これが、動画などの映像ではあまり効果が無いんだそうです。
動画やテレビなどは一方通行。
一方、実際に体験するとなると、体験者自身の思考が伴います。
実際にやってみることで感じる幅は、映像とは比べものにもなりません。
表現したいという想いにも大きな差が生まれることでしょう。
ここまで、2つ紹介してきましたが、まだ重要な要素があるそうです。
それは、上手く言葉で表現できなかった場合に、頻繁に良い直させることは避けた方がいいようです。
子どもなので、上手に言葉を選べないことは多々あります。
もちろん、言い間違えは誤解を招くので訂正は必要です。
問題は、そのバランス。
年齢や成長段階に応じて、小さい頃は「想いが伝わる」ことを優先にしていく。
間違った表現があっても、まず否定や訂正から入るのではなく、共感を示す。
必要があれば、確認の意味も含めて正しい言い方を教えてあげるくらいでいいでしょう。
これは、頻繁に否定や訂正をされると、「言葉で話す」という行為自体が減っていってしまう危険性があるからです。
まあ、これは大人でも理解しやすいですよね。
仕事でいちいち内容の訂正をされる、小言を言われるなど、そんな人とは距離を置きたくなりませんか?
でも、親子関係は距離を置くことができない。
だから、そこは親がまるっと受け止めてあげることが大事なんですね。
こんな偉そうに記事を書いていますが、自分自身を振り返ってみるとそんなに出来ているかなぁって感じです。
自分自身に言い聞かせるような内容でした!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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