「なんであの子(知り合いの子)は、親の言うことしっかり聞いてちゃんとしているのに。
我が子は、ぜんっっっぜん!親の言うこと聞かないの!!」
こんな風に感じたことないですか?
ある!ある!
子どもは、何でもかんでも親や先生の言うことを聞くものではありません!
「そんなこと分かっているけど、どうして?あの子はあんなにいい子なの?」
そう!そう!どうして?
こんな風に感じていた方。
もしかしたら、明るい兆しが見えるかもしれません。
ただ、この話題にはちょっと誤解しやすい問題が含まれているので、先にその話をさせてください。
親の言うことには2種類ある
「親がして欲しいこと」と「子どもにそうあって欲しいこと」、この2つです。
誤解しやすいということは、この2つを混同してしまうこと。
この2つは似ている部分もあるし、同じ部分もあるのでとても混同しやすいんです。
「親がして欲しいこと」
これは、親の都合が大半をしめる内容を子どもに要求すること。
これ自体が悪いわけではありません。
「歯を磨きなさい!」「お風呂に入りなさい!」「テレビ消しなさい!」「宿題しなさい!」など、どちらかというと親がして欲しい内容です。
「子どもにそうあって欲しいこと」
これは、子どもに対してこのような人間に育って欲しいという内容を子どもに要求すること。
例えば、「挨拶をしなさい!」「ありがとうは言いなさい!」「(公共の場では)わがままは言わないの!」「(人に対して)嫌がることをしない!」など、先ほどの例と比べると、子どもの内面にスポットを当てた内容です。
今回、話題にしているのは後者の「子どもにそうあって欲しいこと」です。
ただ、両者は明確な線引きができるものではなく、あくまで親目線の欲か願望かのニュアンスで分けています。
歯を磨くことだって、虫歯にならないようにという想いで伝えていることもあるでしょう。
でも、今回はあえて両者を分けているのは、「子どもも一人の人間で、何でもかんでも親や先生の言うことを聞くものではない」ということが前提にあるからです。
人が人の話を聴こうとするとき
誰しもよく分からない人の話を聴こう!とする人はいません。
この人の話を聴きたい!という人を思い浮かべてみて下さい。
そう!
自分の好きな人だったり、尊敬する人だったり、面白い人だったり、そんな人を思い浮かべたはず。
学習へのモチベーションが教育者に対する尊敬感情と大きく関わっているということから考えると、「人が(子どもも含めて)話を聴く時、話す人に対する尊敬感情が大きく影響している」ということが言えると思います。
つまり、子どもが親に対して尊敬感情を抱いているか否かで、親の言葉の響き具合が違ってくると考えられます。
子どもに「親としてこうあって欲しい」という想いを伝え続けていても、どうにも響かないという場合には、こういった視点で考えてみてはいかがでしょうか?
そんなこといっても、どうやってやればいいか分からないんだよ!という方もいると思います。
万人に通用する答えは無いと思いますが、自分なりの考えをまとめてみますね!
どうして尊敬感情が高まると、言葉の響き具合が違ってくるのか、についても触れていきます。
尊敬と愛は無理強いすることができない
まず、「尊敬と愛は無理強いすることができない」と覚えておくことが大事です。
力技で子どもを惹きつけることはできないということですね。
「俺って凄いだろ?(尊敬しろよ!)」っていう上司がいても、上っ面を取り繕うだけ。
「俺はお前をこんなに愛してるぜ!(だから振り向いて!)」っていろいろ見せびらかされても、愛するかどうかは相手次第。
子どもも同じ。
だから、子育てって難しいのだと思います。
ただ、親子は他人同士とは違うので、アドバンテージは多くあります。
血のつながった人間ですから、子どもからするとやっぱり愛情は感じるし、凄いなぁと尊敬感情はあるわけです。
それを如何に膨らませられるか?
私の答えは、「一緒に遊ぶ」ことと、「そうあって欲しいことを、親である自分が実践する」ことです。
この2つはセットにすることで、より効果を発揮します!
(もちろん、どちらか1つでも効果はあると思います。)
子どもにとって、遊びは何よりの学び。
できれば、ゲームではなく、体験的な遊びやスポーツ、カードゲームやボードゲームなどがいいです。
また、クイズやなぞなぞ、言葉遊び。これら知的な遊びも取り入れ行くといいと思います。
このような体験を通して、より親近感がわき、共感性が高まります。
共感性が高まることによって、その人の言葉が浸透しやすくなるんです!(ここが大事なポイント!)
「一緒に何かをやる ⇒ 楽しさを共有 ⇒ またやりたい ⇒ その人の声に耳を傾ける」
こんな図式になるでしょうか。
だから、一緒に〇〇をするって、もの凄く効果のあることなんです!(子どもにとって)
そして、「そうあって欲しいことを親が実践する」こと。
勉強して欲しいなら、親が勉強して楽しんでいる姿を見せる。
本を読んで欲しいなら、親が本を読んでいる姿を見せる。
朝早く起きて欲しいなら、一緒に早寝をする。
誰だって、出来ていない人、出来ない人、やっていない人に注意されたり、否定されたりしても聞き入れないですよね?
オマエに言われたくない!と。
意外と子どもは親の行動を見ているもの。
「パパだって、〇〇してないじゃん!」
「ママ、こないだ〇〇してたじゃん!」
ということありませんか?
もちろん私もたま~にあります。
そんな時は、素直に謝る。
これもそう!「素直に謝る」という行動を先に見せてあげる。
ここで言い訳をすると、子どもには「(あ、大人ってそうやって言い訳するんだ。僕たちには、すぐ謝れって言うくせに。)」
子どもに謝るなんて!
って思わないでやってみてください。
子どもに頭を下げたら尊敬されない!みたいに考えている人がいますが、逆です!
子どもを一人の人間として見ているからこそ、頭を下げることもできる。
そうやって、認められた(先の例で言うと、自分の意見をしっかり受け止めてくれた)という態度が子どもに響いていくわけです。
1人の人間として認められる、つまり、共感性が高まっていきます。
共感性が高まると、言葉が浸透しやすくなるんでしたよね!
一つ例を紹介すると、私は一緒に「勉強タイム」というものを作って、静かに過ごす時間を作ってます。
子ども達は、宿題をしたり、絵を描いたり、本を読んだり、日記を書いたりしています。幼稚園の息子も、勉強すると言いながら自由帳を持っていきます。
こうやって一緒に何かやりつつ、勉強している姿も見せる。
各家庭の日々の過ごし方は違うので、それぞれの家庭でどういう形で取り組むかは様々です。
親子である以上、子どもとの関係は一生です。
だから、我が子にはできるだけより良い人生を歩んで欲しいと思います。皆さんもそう思っていることでしょう。
だからこそ、子どもが小さいうちに体験するべきこと、身に付けるべきこと、そういったことに力を注いであげるのが大事だと思います。
それは、今しかできない子育ての投資でもあります。
ぜひ、実践してみたください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。