クレームに関する本を読んでいて、最近の悪質クレームの要因についてこんな風に書かれていました。
「過剰なサービスが消費者の過剰な期待を生む。消費者の期待外れが不満を募らせ、やがて悪質クレームにつながる」
これが全ての要因ではないにせよ、こういった背景もあるのではないか。
と、こんな一説でした。
なるほどね!と思った一方で、これは子育てにも言えることなのかもしれないと考えました。
子育てに置き換えるとこんな感じかな。
「親の過剰な保護が親の過剰な期待を生む。親の期待外れが不満を募らせ、やがて叱責がふえる結果になる」
対象が違うので、ニュアンスが違うかもしれませんが、要は「期待しすぎるな!」ってことですね。
サービスしてもらうのが当たり前の日本にとって、当たり前だと思っている時点でそれ以上のことを「期待」しているわけです。
子育てでも、本来もっている本人の実力以上のものを求めて、結果を「期待」しすぎてしまう傾向にあると思います。
これは親であれば誰しも持っている「我が子への期待」です。
なにも「我が子への期待」がダメと言っているわけではなく、「過剰」という部分に気を付ける必要があるかなと感じたんです。
それはなぜか?
「親の期待が、親自身の目標になってしまう恐れがある」から。
可愛い我が子ですから、こうなって欲しい!こうあって欲しい!
という願いは最もだし、あって当然です。
いや、むしろあった方がいい。
だけど、その「期待」が膨らみ過ぎると、子ども自身の目標から親自身の目標にすり替わっていることがあるんです。
しかも、すり替わっていることに気付いていないことも多い。
そうなると、過保護になったり、できない我が子を責めたり、無理やりやらせたり。
子どもが小さいうちは、親に反発なんてできませんし、特に過保護においては、親に甘えられて幸せな気分を味わっていることでしょう。
だから、余計親は気が付きにくくなるのでしょう。
もちろん例外もあると思いますよ。
プロのスポーツ選手とか、音楽家、芸術家なんて方々は、小さい頃から期待されて英才教育を受けているので。
ただ、そういった家庭では、両親からその教育に適した遺伝子を受け継いでいて、教育環境が整っている場合がほとんどです。
われわれ庶民の遺伝子では、滅多なことが無い限り遺伝的な素質は持ち合わせていないし、そんな環境も整えるのは難しい。
だから、我が子には「がんばってほしいな~!」という期待は持ちつつも、「ま、自分の子だからこんなもんかな。」っていう気持ちも天秤の反対側に置いておかないと、「期待しすぎ」の状況を招きかねない。
我が子には何不自由なく育って欲しいと過保護になり過ぎると、自分の力で解決する力を失います。
もっとできると期待して、できないことを指摘しすぎると、子どもの気持ちは離れていきます。
「心配」や「期待」という名の愛情をもっているのはもちろん大切なこと!
ただ、その愛情とセットでその子の「ありのままを受け止める」ブレーキも必要なんだと思います。
じゃあ、そうならないためにどうしたらよいのか?
言葉で言うのは簡単ですが、実際には難しいと思います。
今回は「考え方」がテーマなので具体的な行動というよりは、「期待しすぎない」ためにどういった見方をするべきかに絞っています。
見方を変えるヒントになること3つ。
- 他人の子と比べて評価しない
- 我が子を加点方式で見る
- 予防は最小、治療を最大限に
まずはよく聞く「比べない」。
他人の子と比べるから、我が子の出来ていない部分が目立つわけです。
もちろん、良い部分も目立つはずなのですが、我が子への過剰な期待が目を曇らせる。
あの子達と比べると我が子は・・・って思い始めたら、思い出してください。
「おっと目が曇っている!きっとどこかに我が子の良い所があるはず!今は雲に隠れて見えていないだけ!どこにあるのかなぁ?」
比べて悪い所ばかり見えてしまうのは、反芻思考を持っている可能性もあります。
当てはまるかもっていうかたはこちら↓↓↓の記事も参考にしてみて下さい!
次は我が子を「加点方式」で見るクセをつけることです。
我が子への期待が膨らむと、そのイメージは120点の状態を想像してしまっています。
まず、そこを壊す!
「いやいや!私はそんなことないです!って。当たり前のことを子どもに言ってるだけですって!」
この時点で120点のことを要求していると思っていいです。
「言ってできないこと=100点以上のこと」
だからです。
つまり!我が子は私が思っている当たり前のこともできない子ってこと?
はい!そうです!
怒らないでくださいね。(笑)
ちょっとショックな気もしますが、それが現実。
ひとつ目の例で、「比べないこと」をあげました。自分が当たり前だと思っていても、そうでない場合はたくさんあります。
だから、こういった考え方をもっていることが重要なんです。
我が家の例で言うと。
「マスクはどこに置いたの?洗えないじゃない!」という状況。
マスク洗いたいからお風呂に入る時にマスクをもってきて欲しいんですがなかなかそれができない。
なぜなら、帰ってきてマスクを家のどこかに置いて忘れてしまうから。
この状態にガミガミ言っても解決しないわけですね。
だって、120点を求めても現在半分の60点なんだから。
でも、60点なんだと思えば、じゃあどうやって点数をあげられるか知恵を絞るわけです。
今回は解説しませんが、この問題は80点くらいまできました。
出来ないことに注目するのではなく、出来るようになったことに注目することで、子どものやる気もアップ!
そして、3つ目は「予防は最小、治療は最大限に」ということ。
これは、転ばぬ先の杖を持たせすぎるな!という意味で、過保護対策です!
人間は痛い思いをして学びます。
失敗をして学びます。
何度も!
つまり、「痛い思い」と「失敗」は必要不可欠なんです!成長には。
でも、そんな同じ思いをしてきた親だからこそ、そこが子どもへの愛情へ変わってしまう。
そこでこの考えを思い出していただきたい!
同じ失敗をしないために、ちょっとだけ知恵やアドバイスを!
「予防は最小限!」
・声をかけるだけで、できるだけ自分でやらせる!
もし、失敗したり痛い思いをしたりして、傷ついて帰ってきたら最高の治療を!
「治療は最大限に!」
・愛情をフルに発揮!また、次の課題に立ち向かえるよう癒して、そして励ます!
怪我をすること、心が傷つくこと、失敗すること、そんなのは当たり前!
当たり前だし、そういった経験が必要不可欠だ!と、親が思うことが大事です!
(これが一番伝えたかったことかも!)
子育てにおいて大事な見方を変えるヒントになること3つでした!
- 他人の子と比べて評価しない
- 我が子を加点方式で見る
- 予防は最小、治療を最大限に
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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